今日は無料のパスワード管理ソフトを紹介する。

 仕事ではパスワードマネージャを使っていても、プライベートでは幾つかのパスワードを使いまわしている人は多い。
 それどころか、仕事でもパスワードを使いまわしている人は少なくない。なかには、パスワードを1つだけ、しかも誕生日の4桁という人もいる。

 わかりやすさから多くのサイトが採用しているアカウント名=メールアドレスという仕組みはちょっとした欠点がある。SNSなどでメールアドレスを公開 するとアカウントが他人に知られてしまうのだ。こうなるとパスワードを複雑にして守るほかないのだけど、パスワードを誕生日にしていたら、アカウント名とパスワードの両方をSNSに晒していることになる。

 誕生日や電話番号や住所といった個人情報をパスワードとして使っていると、簡単に推測されて、他人にアカウントを乗っ取られる可能性が高い。
あなたの誕生日を知らなくても4桁の数字だったら、試行錯誤のうちに知られてしまう可能性もある。

 パスワードの使い回しをしていると、1つのパスワードが知られたら、あなたの人生を乗っ取ることさえできかねない。パスワードはそれぞれ変えたほうがいい。

 しかし、パスワードを複雑にして、それぞれのサービス、アカウントで同じものを使わないようにしようと思ったら、普通は覚えきれない。SNSやWeb上のサービスの利用は増え続けていて、40~50個のアカウントを持っているのは珍しくないからだ。

 そこでパスワード管理ソフト(パスワードマネージャとも呼ばれる)を使うことになる。

 パスワードマネージャはどんなものが良いか? まず、無料のものが良い。そして、いろんなOSに対応したものが良い。

 今の時代、パソコン、スマフォ、タブレットと、それぞれ違ったOSが動く機械を1人の人間が持っていたりする。それぞれ用のソフトがみんな有償だったら、お金が惜しくてパスワード管理をしなくなるかもしれない――そして、最悪の事態に陥る――というのを避けたいのだ。何台のマシンに入れても無料だったら機器を増やした時にもインストールするだろうし、複数のOSに対応していれば、どのマシンを使ってもパスワードの使いまわしをしないだろう。

 Windows を主に使っている人にお薦めするのは、KeePass というパスワードマネージャだ。
 パスワードを登録するだけでなく、複雑さのあるパスワードをこのアプリが作ってくれる。
 使いまわしているパスワードがあったら、KeePass が作ってくれたものと置き換えていこう。

 keepass公式サイト:http://keepass.info/

 Keepass はまずWindows 用に作られ、今では、Mac OSX、iOS、Android でも使えるものが作られている。
 ※Windows版とそれ以外用は作者が違うし、複数の人が類似の互換アプリを作っていることに注意。

 Windows 用のKeepass はオープンソースで、アヤシイ動きをしている報告もないので、安心して使っている。

 パスワードを保存しているファイルをほかのマシンでも使いたいときは、オンラインストレージソフトを使うといいだろう。
 たとえば、Dropbox に入れておけば同期が速くて、不便はない。

 ただし、どこまでDropboxを信頼するかという判断もある。暗号化ソフトと組み合わせて使うとか、自前で同期をとれる仕組みを作るなど、より安全を求めれば、いろいろ方法はある。できることを試してみよう。

KeePass のダウンロード

Windows用 KeePass 1.26

Mac用  KeepassX 0.43(自動入力版)

ios用 minikeepass

Android用 Keepassdroid

 Ubuntu用 ソフトウェアセンターでKeePassを検索→KeePass2をインストール(※2.x系)
その他のLinuxにも対応ソフトがありますので、http://keepass.info/download.htmlをご参照くださいませ。

 残念ながら、OSX用には無償のKeepass 2.Xがまだないようなので、Keepass ver.1.Xを中心に紹介した。
 実際に私が使っているのは、最新のKeepass 2.X系だ。

 OSX上のKeepassXでファイルが読めるように、保存時に1.X系のファイルを自動でエクスポートするようにして使っている。
 そのやり方は、「KeePass で kdbx と kdb を同時に保存する方法 | ru_426:」にある通りである。自動処理されるので便利だ。

 それまで「このサイト、パスワード何にしてたかな?」とか思い出すのに時間がかかっていたし、パスワードを忘れないかと心配なことがあったのだけど、今やソフトが覚えてくれているので、頭がすっきりした気がする。マスターパスワードだけ覚えておけばよい。マスターパスワードはプリントアウトして保管している。これで、忘れてもディスクがクラッシュしても大丈夫じゃないかなと思っている(バックアップは定期的にとっている)。


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